GPS・位置情報の正しい設定が身を守る ―スマホ・SNSの「見えない危険」を遮断する方法

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デジタル防犯|スマホ・SNS設定

GPS・位置情報の正しい設定が身を守る
―スマホ・SNSの「見えない危険」を遮断する方法

この記事でわかること
・位置情報が犯罪に悪用される具体的な手口
・「位置情報を完全オフ」にすることの意外な落とし穴
・iPhone・Androidの位置情報設定の正しい見直し方
・SNS投稿から住所・行動パターンが特定される仕組み
・写真のExifデータ(位置情報)の削除方法
・家族・特に高齢の親に伝えるべき注意点

「うちは関係ない」と思っていませんか?実はスマートフォンの位置情報設定やSNSへの投稿内容から、自宅の住所・留守にする時間帯・行動パターンが第三者に特定されてしまうケースが増えています。

侵入犯罪や特殊詐欺グループは、SNSや公開情報を使って「標的」を事前に調査することが多いとされています。この記事では、今日からできるデジタル防犯の設定方法を解説します。

🔴 位置情報・SNSが犯罪に悪用される主な手口
① SNSの投稿から自宅住所・周辺環境が特定される
② 「旅行中」「帰省中」の投稿から留守宅が特定される
③ 写真のExifデータから撮影場所・日時が特定される
④ 車のナンバープレートが写った写真から個人情報が調べられる
⑤ 日常的な投稿パターンから「いつ家を空けるか」が分析される
⑥ 特殊詐欺グループがSNSから高齢者の家族構成・資産状況を調べる

位置情報とは何か

スマートフォンのGPS機能は、現在地を地図アプリやカメラ、SNSアプリなどと共有できる仕組みです。便利な反面、適切に設定しないと意図せず自分の居場所を第三者に知らせてしまう危険があります。

特に問題になるのが写真に埋め込まれた「Exifデータ」です。スマートフォンで撮影した写真には、撮影日時・場所(緯度・経度)などの情報が自動的に記録されます。この写真をSNSに投稿すると、見た人に撮影場所が特定される可能性があります。

⚠️ 位置情報を「完全オフ」にすることの落とし穴

プライバシーを守るために、スマートフォンの位置情報を完全にオフにしている方がいます。気持ちはよくわかりますが、完全オフには重大な盲点があります。

紛失防止タグ(AirTag・Tile等)の悪用に気づけなくなる
近年、ストーカーや犯罪者が小型の紛失防止タグを車のバンパー裏・荷物の中などに密かに忍び込ませ、被害者の行動を追跡する事件が増えています。

Appleの「AirTag」には、知らない人のAirTagが一定時間近くにあるとiPhoneに自動で警告を出す機能があります。しかしこの機能は位置情報サービスをオンにしていないと動作しません。

つまり「位置情報を完全にオフ=自分の安全を守るため」と思っていたのが、逆に「自分がつけられていても気づけない状態」になってしまうのです。

✅ 正しい位置情報の設定方針

位置情報サービス自体はオンに保つのが正解です。重要なのは「どのアプリに位置情報を渡すか」を個別に管理することです。

推奨設定:
・位置情報サービス全体:オン(これがないとAirTag警告等が機能しない)
・カメラアプリ:オフ(写真に位置情報が記録されなくなる)
・SNSアプリ(Instagram・X等):オフ
・地図・カーナビアプリ:使用中のみ許可
・「常に許可」:原則使わない

この設定にすれば、自分の位置情報をSNSや写真に漏らさずに、かつAirTagなどの不審なタグにも気づける状態を保てます。

不審なAirTagに気づいたら
iPhoneの場合
「あなたの近くにAirTagがあります」という通知が届いたら、まず落ち着いて以下を確認してください。① 通知をタップして「AirTagを探す」で大まかな場所を確認
② 車・バッグ・荷物の中を丁寧に確認する
③ 見つかった場合はすぐに警察に相談する(110番または最寄りの警察署)
④ 自分でAirTagを操作・破壊しない(証拠になる可能性がある)Androidの場合
「Googleの不明なトラッカー アラート」アプリまたはGoogleの自動検出機能で通知が届きます。同様に警察に相談してください。

※AirTagの警告機能はApple製品同士の「探す」ネットワークを利用しています。iPhoneをお持ちでない場合は「Appleの精度に関するお知らせ」アプリ(Android向け)で確認できます。

① iPhoneの位置情報設定
設定手順
設定 → プライバシーとセキュリティ → 位置情報サービス各アプリの位置情報設定を以下のように見直してください。・「このAppの使用中のみ許可」:地図・カーナビなど必要なアプリのみ
「許可しない」:SNS・カメラ・ゲームなど位置情報が不要なアプリ
「常に許可」は原則使わない:本当に必要な場合のみ

カメラの位置情報をオフにする
設定 → プライバシーとセキュリティ → 位置情報サービス → カメラ → 「許可しない」これで撮影した写真にGPS情報が記録されなくなります。地図アプリなど必要なものだけ「使用中のみ許可」にしておきましょう。
② Androidの位置情報設定
設定手順
設定 → 位置情報 → アプリの権限各アプリの位置情報設定を確認します。・「アプリの使用中のみ許可」:地図・カーナビなど必要なアプリのみ
「許可しない」:SNS・カメラ・ゲームなど位置情報が不要なアプリ
「常に許可」は原則使わない

カメラの位置情報をオフにする(Android)
カメラアプリを開く → 設定(歯車マーク)→「位置情報タグ」または「GPS情報」→ オフ※機種によって設定場所が異なります。カメラアプリの設定メニューを確認してください。
③ SNS別・位置情報と公開設定の見直し

Instagram(インスタグラム)

確認すべき設定
①投稿に位置情報タグを付けない
写真投稿時に「場所を追加」をタップしないようにしましょう。自宅・職場・よく行く場所のタグは特に危険です。②アカウントを非公開にする
プロフィール → 設定 → アカウント → 「非公開アカウント」をオン③ストーリーズの位置情報スタンプを使わない
「〇〇にいます」系のスタンプは現在地を公開することになります。

X(旧Twitter)

確認すべき設定
①ツイートへの位置情報添付をオフにする
設定とサポート → 設定 → プライバシーと安全 → 位置情報 →「正確な位置情報を追加」をオフ②過去のツイートの位置情報を削除する
同じ画面に「位置情報を削除」というボタンがあります。過去の投稿の位置情報をまとめて削除できます。

Facebook(フェイスブック)

確認すべき設定
①投稿の公開範囲を「友達」に限定する
設定 → プライバシー → 投稿の公開範囲 →「友達」に変更②チェックインを使わない
「〇〇にいます」というチェックイン機能は現在地を公開します。③プロフィールの住所・電話番号を非公開にする
プロフィール編集 → 連絡先情報 → 公開範囲を「自分のみ」に変更

④ 写真のExifデータを削除する方法

SNSに写真を投稿する前に、Exifデータ(位置情報・撮影日時など)を削除しておくと安全です。

Windowsパソコンから削除する方法

手順
① 写真ファイルを右クリック → 「プロパティ」
② 「詳細」タブをクリック
③ 下部の「プロパティや個人情報を削除」をクリック
④ 「このファイルから次のプロパティを削除する」→「すべて選択」→「OK」

iPhoneから削除する方法

手順
写真アプリ → 写真を選択 → 共有ボタン → 「位置情報を含める」のチェックを外してから共有・保存または:写真を選択 → 左下の「i」ボタン → 「位置情報を調整」→ 「位置情報を削除」
⑤ SNS投稿で気をつけるべきこと
投稿内容 リスク 対策
自宅前・庭の写真 住所・外観が特定される 背景に家の特徴が写らないよう注意
「旅行中!」「帰省中!」 留守宅が特定される 帰宅後に投稿する
車のナンバープレート 個人情報が調べられる 必ずナンバーを隠してから投稿
「〇〇駅近く」「〇〇に住んでいます」 居住エリアが特定される 具体的な地名は書かない
子どもの通学路・学校名 子どもの行動範囲が特定される 学校名・制服が写った写真は非公開に
「今日は一人です」「夫が出張中」 一人暮らし・留守が特定される 家族の不在状況は投稿しない
高額な買い物・現金の写真 資産状況が特定される 金額・資産がわかる投稿は控える

高齢の親への伝え方

位置情報の危険性は、スマートフォンに慣れていない高齢者ほど気づきにくいものです。

よくある高齢者のSNS投稿の危険パターン
・孫の写真に「〇〇小学校の運動会」とタグ付け
・「今日は子どもたちが遊びに来てくれました」→ 普段は一人暮らしとわかる
・「旅行から帰ってきました」→ 留守にしていたことが後からわかる
・自宅の庭・玄関の写真を投稿 → 外観・住所エリアが特定される
親への伝え方のコツ
「怖い話をするつもりじゃないけど、スマホの設定を一緒に確認させて」と帰省時にさりげなく設定を見直してあげましょう。特に以下の3つだけ確認すれば十分です。
① カメラの位置情報をオフにする
② SNSの公開範囲を「友達のみ」に変更する
③ 旅行・外出の投稿は帰宅後にする習慣をつける

今日からできる位置情報セキュリティ チェックリスト

  • 1
    スマホの位置情報サービスはオンのまま・カメラアプリの位置情報だけオフにした
  • 2
    SNSアプリの位置情報アクセスを「許可しない」に変更した
  • 3
    Instagramのアカウントを非公開に設定した
  • 4
    Facebookの投稿公開範囲を「友達」に限定した
  • 5
    旅行・外出中のリアルタイム投稿をしない習慣をつけた
  • 6
    自宅の外観・玄関が写った写真を公開投稿していない
  • 7
    車のナンバープレートが写った写真を投稿していない
  • 8
    iPhoneのAirTag警告機能が動作するよう位置情報サービスをオンに保っている
  • 9
    高齢の親のスマホのカメラ位置情報設定を確認した
  • 10
    家族全員でSNS投稿のルールを話し合った

💡 防犯アドバイザー マモルのひとこと

「位置情報は完全にオフにしておけば安全」という思い込みは危険です。大切なのは「どのアプリに何を許可するか」を自分でコントロールすることです。

位置情報サービス自体はオンに保ちながら、カメラとSNSアプリへのアクセスをオフにする。この設定が、プライバシーを守りながら不審なタグにも気づける「ちょうどいい防犯設定」です。

「旅行中の投稿は帰ってから」「カメラの位置情報はオフ」「位置情報サービス自体はオン」——この3つを家族全員で共有するところから始めてください。

参考・引用


※1 警察庁「サイバー犯罪対策」https://www.npa.go.jp/cyber/(2026年5月確認)
※2 総務省「国民のための情報セキュリティサイト」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/(2026年5月確認)
※3 Apple「AirTagのセキュリティ」https://support.apple.com/ja-jp/HT212227(2026年5月確認)
※4 本記事の設定方法はiOS・Androidの2026年5月時点の仕様に基づいています。OSのアップデートにより設定場所が変わる場合があります。

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